RMI・CMRTとは?重要性が増すサプライチェーン管理の実務対応と開示

※本記事は、2024年8月に公開された記事を最新情報に更新し再発行したものです。

サステナビリティ経営や情報開示において制度化が進む中「サプライチェーン全体」におけるサステナビリティリスク管理への関心が急速に高まっている。

CSRD(企業サステナビリティ報告指令)、IFRS S1 S2(国際サステナビリティ基準審議会:ISSB基準)、SSBJ基準などの制度においても、サプライチェーン上の人権・環境リスクへの対応やデューディリジェンスの実施が求められている。さらに、TNFD開示においてもサプライチェーンでの対応・開示が重要であるとされている。

こうした流れの中、改めて再確認が必要なのが「紛争鉱物対応」におけるサプライチェーン管理であろう。サステナブルなサプライチェーン管理の実務において先行しており実務を考える上で、紛争鉱物対応は非常に参考になる。

本稿では、Responsible Minerals Initiative(RMI:責任ある鉱物調達に関する国際的イニシアティブ)・CMRTの実務を整理しつつ、紛争鉱物対応とサプライチェーン管理およびその開示ポイントを解説する。

RMIとは

Responsible Minerals Initiative(RMI)は、2008年に設立された国際的イニシアティブであり、企業による責任ある鉱物調達を支援している。RMIは、OECDデューディリジェンス・ガイダンスに整合した評価プロセスや各種ツールを提供しており、現在では電子機器、自動車、製造業など多くのグローバル企業が活用している。また、RMIの主な目的は、鉱物サプライチェーンの透明性向上とリスク管理の高度化にある。

RMIの4つの主要活動:RMAP・CMRT・ガイダンス・エンゲージメント

RMIの活動は、主に「Responsible Minerals Assurance Process(RMAP):評価制度」「Conflict Minerals Reporting Template(CMRT):報告テンプレート」「デューディリジェンス関連ガイダンス」「ステークホルダーエンゲージメント」の4つで構成されている。

まず、RMAPは、製錬所・精錬所(Smelters / Refiners)を対象とした第三者監査プログラムである。独立監査を通じて、鉱物調達プロセスやリスク管理体制、OECDガイダンスへの準拠状況などを評価し、適合した製錬所・精錬所を「RMAP conformant」として評価する仕組みとなっている。

次に、CMRT(Conflict Minerals Reporting Template)は、サプライチェーン内の3TG(タンタル・錫・タングステン・金)情報を収集するための標準化テンプレートである。CMRTを用いて、使用鉱物、原産国、利用製錬所、デューディリジェンス状況などをサプライヤーから収集することができるため、企業の間で広く利用されている。

さらに、ホワイトペーパーやリスク管理ガイダンスを提供しており、コバルト、EVバッテリー、強制労働、人権リスクなど対象領域も拡大している。ステークホルダーエンゲージメントの促進を目指し、NGOや政府機関、投資家などとの対話から「リスク情報」や「ベストプラクティス」の共有も進めている。

以降の章で、RMAPやCMRTの詳細および実務対応ポイントについて解説する。特に、CMRTの詳細は、紛争鉱物以外のデューディリジェンスにも応用できる点があると思われるので、参考になるだろう。

参考:RMI「鉱物デュー・ディリジェンスの実施のための実用的ガイド」


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続きでは、RMI・RMAPやCMRTをの詳細やサプライチェーン管理における対応ポイントを整理しています。また、サプライチェーン管理の開示における重要性も示しています。自社の開示準備にぜひご活用ください。

・・RMAPだけでは「完全対応」とならない留意点
・CMRTを活用したサプライチェーン管理方法とは
・実効性のあるサプライチェーンデューディリジェンスとは

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<執筆者

竹内愛子
国際関係学に関する修士号を取得。総合コンサルティングファームにて、システムおよび戦略コンサルティングに従事した後、Big4ファームのアドバイザリー部門にて、ガバナンス・リスクマネジメントや統合報告に関する企業向け支援に携わる。
2022年より ESG Journal にて、サステナビリティ経営の観点から、情報開示実務やそれを支えるシステム活用をテーマに、オリジナル解説およびホワイトペーパーの執筆を行っている。

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