CDP2027:スケジュール変更と実務への影響と対策 回答期限・変更点まとめ

CDPは、2027年情報開示サイクル(Disclosure 2027)を公表し、回答スケジュールの大幅な前倒しを予定している。2027年からは、回答受付が4月14日に開始、スコアリング締切は6月23日。2026年と比べると、回答受付開始は約2か月、スコアリング締切は約3か月早まる。

特に3月決算の日本企業にとっては、有価証券報告書の作成やSSBJ基準への対応、GHG排出量などの第三者保証、株主総会などその他のイベントとCDP回答が重なる可能性がある。

そのため、2027年以降のCDP対応では、回答受付が始まってから準備するのではなく、データ収集や根拠資料の整理、レビューなどを事前に進めておくことがこれまで以上に重要になるだろう。

本記事では、CDP 2027で何が変わるのかを2026年と比較するとともに、スケジュール変更の背景や企業実務への影響、今から検討しておきたい対応について解説する。

CDP 2027の変更点とは?2026年との違い

2026年のサイクルでは、4月下旬にリストが公開され、6月中旬に回答受付が開始、9月16日がスコアリング締切となっている。
一方、2027年はリスト公開が2月24日、回答受付開始が4月14日、スコアリング締切が6月23日、最終締切が8月25日となる予定である。

項目2026年2027年前倒し期間
リスト開始4月下旬2月24日約2か月
回答受付開始6月中旬4月14日約2か月
スコアリング締切9月16日6月23日約3か月
最終締切10月下旬8月25日約2か月

さらに、回答受付開始からスコアリング締切までの期間も、2026年の約13週間から2027年には約10週間へ短縮される。

また、2027年は回答企業へのスコア提供が9月、一般公開が11月に予定されている。

単にCDP対応を「2~3か月早く始めればよい」という変更ではなく、限られた期間で回答を完成させるための準備を、それ以前から進めておく必要性が高まると考えることが重要である。

2027年の詳細ルールは今後も更新予定

CDPは2027年の主要スケジュールを公表している一方、質問書の変更やスコアリング方法など、Disclosure 2027に関する詳細情報については今後順次公表する予定としている。

また、回答期間の短縮に伴う対応として、2026年に導入されている「On-Demand Extensions(オンデマンド延長)」と同様の仕組みを2027年にも提供する見込みとしている。ただし、現時点では2027年の具体的な適用条件や延長期間などは公表されていない。

現在公表されているスケジュールを前提に準備を進めつつ、質問書、スコアリング方法、回答期限に関する追加情報を継続的に確認することが重要である。

CDP 2027に向けて企業が今から確認・準備しておきたい具体的なポイントについては、お役立ち資料「CDP 2027で何が変わるのか」で詳しく解説しています。

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なぜCDPは2027年からスケジュールを前倒しするのか

スケジュール変更の背景には、CDPが進める回答プロセスの効率化がある。

CDPはAIを活用することで企業・CDP双方の負担を軽減し、より正確で一貫性のある情報収集を目指している。また、AI回答提案や過去回答を引き継ぐCopy Forward機能の強化によって回答作成を効率化するとともに、回答・分析プロセスを前倒しすることで、スコアや開示情報をより早く提供することを目指している。

AI回答提案やCopy Forwardを利用すれば、過去回答をもとに回答案を作成したり、類似設問で過去の回答を再利用したりすることが可能になる。一方、最新の取り組みや実績の反映、設問意図の最終的な解釈、回答の正確性・網羅性の確認などは引き続き企業側で行う必要がある。

つまり、CDP 2027は単なる回答期限の変更ではなく、過去回答やデータを再利用しながら効率的に回答するプロセスへの移行として捉える必要がある。

CDP 2027の変更が企業実務に与える影響

CDP 2027では回答期間が前倒し・短縮されるため、単にCDPの回答作業を早めるだけではなく、年間の開示業務やデータ管理の進め方そのものを見直す必要がある。企業が特に確認しておきたいポイントは、次の3点である。

  • 他の開示業務との重複
    3月決算企業では、CDPの回答期間と有価証券報告書・SSBJ対応、統合報告書、株主総会などの時期との調整が必要。
  • AIによる回答効率化の最大化
    回答期間が短くなる中、AI回答提案やCopy Forwardを効果的に活用するには、書類の整理が必要。
  • 第三者保証・データ整備プロセスの見直し
    6月下旬の期限までの作業期間が限られるので。データ収集・算定・保証までを含め、より早期に開示データを準備が必要。

こうしたスケジュール変更に対応するためには、「いつから回答を作るか」だけではなく、データ収集や根拠資料の管理、社内レビュー、第三者保証などを年間でどのように進めるかを整理することが重要である。

CDP 2027対応をどう進めるか

CDP 2027では回答期間が短縮されるため、回答受付開始後に準備を始めるのではなく、回答開始前の事前準備、AIを活用した回答作業の効率化、短期間でも安定して対応できる体制づくりがこれまで以上に重要になる。

特に、次の3つの観点から現在の回答プロセスを見直すことをおすすめしたい。

  • 事前準備を進める
    前年の回答内容や根拠資料などをあらかじめ整理し、回答開始後はレビューや最終確認に集中できる状態を整える。
  • AIを活用できる環境を整える
    AI回答提案やCopy Forwardを効果的に活用できるよう、過去回答や根拠資料などを整理し、必要な情報を再利用できる状態にしておく。
  • 短期間でも対応できる体制を構築する
    担当者個人の経験やノウハウだけに依存せず、役割・責任の明確化や手順の標準化、ナレッジ共有などを進め、再現性のある回答プロセスを構築する。

CDP 2027への対応では、単に回答作業を前倒しするのではなく、回答期間を「回答を一から作成する期間」から「事前に準備した内容をレビュー・最終確認する期間」へ変えていくことがポイントとなる。

CDP 2027に向けて企業が今から確認・準備しておきたい具体的なポイントについては、お役立ち資料「CDP 2027で何が変わるのか」で詳しく解説しています。

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CDP 2027に向けて今から準備を

CDP 2027への対応は、単に回答時期を前倒しするだけでは十分ではない。回答期間が短縮されるからこそ、データ収集や算定、根拠資料の管理、レビューなどを年間を通じて効率的に進められる体制づくりが重要になる。

ESG Journalでは、今後も、2027年のアップデートに合わせて、年間開示プロセスの見直し、AI・Copy Forwardを活用するためのデータ整備、属人化の防止、GHG算定・保証への対応など、企業が今から検討しておきたい実務上のポイントを詳しく解説していく。


FAQ(1分で理解)


CDP 2027の回答期間はいつですか?

2027年4月14日に回答受付が開始され、スコアリング締切は6月23日、最終締切は8月25日の予定

CDP 2027は2026年から何が変わりますか?

2026年と比較すると、回答受付開始は約2か月、スコアリング締切は約3か月前倒し、スコアリング締切までの期間も約13週間から約10週間へ短縮

CDP 2027への準備はいつから始めるべきですか?

回答受付開始後ではなく、それ以前から前年回答や根拠資料、必要なデータを整理しておくことが重要

CDP 2027対応で見直すべきことは何ですか?

CDP回答だけでなく、データ収集・算定、第三者保証、SSBJ・有価証券報告書、統合報告書、その他のESG評価機関への対応を含め、年間開示プロセス全体を見直すことが重要

CDP 2027に向けて企業が今から確認・準備しておきたい具体的なポイントについては、お役立ち資料「CDP 2027で何が変わるのか」で詳しく解説しています。

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<執筆者

竹内愛子
国際関係学に関する修士号を取得。総合コンサルティングファームにて、システムおよび戦略コンサルティングに従事した後、Big4ファームのアドバイザリー部門にて、ガバナンス・リスクマネジメントや統合報告に関する企業向け支援に携わる。
2022年より ESG Journal にて、サステナビリティ経営の観点から、情報開示実務やそれを支えるシステム活用をテーマに、オリジナル解説およびホワイトペーパーの執筆を行っている。

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